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伊勢湾台風から学ぶ


原子力安全委員会の委員長と委員が、17日初めて福島県庁を訪問したそうである。

国の防災計画によると、原発事故時には

直ちに現地入りすることになっていた立場の人間だが

実際に福島入りしたのが、震災発生から38日も経ってから。

しかも、福島県の本部会議には顔を出さず

本部長の知事にも会わずに帰っちゃったんだって。

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どうやら、事故対策のための専門委員2名を現地に派遣したらしい。

今頃になって。



この原子力災害現地対策本部は、原発から65km離れたところに設置されていて

現地という言葉が適当なのかどうかわからないけど

(住民は30km圏内にまだ残されているのに!)

誰がどうみても、対応が後手後手というか

機能してるのか?と疑問が湧く仕事っぷり。





一方、東京では、新しい組織が誕生した。

「復興実施本部」っていうんだって。

総理は震災発生後

緊急災害対策本部、原子力災害対策本部

被災者生活支援特別対策本部、震災ボランティア連携室等

次々に組織を立ち上げ、とうとう20以上の組織が出来上がってしまったとか。

原発対応だけで5つの組織が存在し、組織はどんどん肥大化。

次々に新しい大臣や参与が誕生し、指揮系統も複雑化。

誰が決定権を持っているのかもわからず

官僚らは、どこに案件を持ち込めば良いのか混乱しているという。

総理は、自身の政治生命のために周囲を固めるのに必死なのか

それとも民主党の売りの政治主導とやらをアピールしているのか

果ては、組織を作るだけで仕事をしているような気分になっているのか

何がどうなっちゃってるのかよくわからないが

とにかく議論ばかりやっていて、十分に支援が進んでいないのが現状のようである。

総理の頭の中は、人事でいっぱいなのだ。

こういうの「船頭多くして船山に登る」って言うのかな。



だって、震災は発生してから、かなり時間が経つのに

まだ一度も入浴できていない被災者がたくさんいて

未だにおにぎりとパンの配給しか受けられない被災地もあるんだよ。

仮設住宅も全く足らないし。

1000億円以上集まった義援金だって、被災者の元に届けられる気配もない。

「公平に配らなきゃならないから大変なんだ」みたいなこと言ってたけど

お財布も持たずに津波から逃げてきた人が大勢いるんだよ。

現金がなかったら、どうやって生きていくのよ。

そりゃ、公平に配るのは大事。

でも、いつまで被災地から遠く離れた東京で会議やってるの?って思う。



原発の対応も被災者支援も、全て後手後手に感じるんだよね。

国としての将来のビジョンを、国民に全く示さないし。

「被害が広範囲だったから」「初めてのことだから」「想定外だった」

こんな文言が言い訳として通用するのかわからないけど

今も何十万人もの国民が苦しんでるのが現実。








で、過去の災害では政治はどう動いたのか、少しだけど調べてみたわけ。

そしたら、1959年9月26日に起きた伊勢湾台風が

広範囲で海水による被害が大きかったという共通点があることがわかった。

もちろん、歴史として知ってるだけで、経験はしてないよ。

伊勢湾台風の犠牲者は153万人、死者・行方不明者は5000人以上。

愛知県と三重県での死者が最も多かったが、25都道府県で死者が出ており

非常に広範囲の地域で被害が出たことが伺える。

高潮と風、土砂災害により、多くの人々が避難生活を強いられた。

水が引くのに4ヶ月もかかった地域もあったという。

ise.jpg
(伊勢湾台風時の様子。写真はYahoo.jpより)

ise2.jpg

26日に紀伊半島に上陸し、27日に秋田沖に抜けた台風だが

29日には、政府は中部日本災害対策本部を立ち上げた。

何かをする度に、いちいち東京の政府にお伺いを立てていては

時間だけがかかってしまうということで

現地対策本部に権限を持たせ、土地利用規制等は現地の条例で進められ

国は法整備と復興費集めに力を入れた。

権限を被災地に移すことで、被災地からの要求が伝わりやすくなり

処理能力も上がるようである。

もちろん、伊勢湾台風のときも

たくさんの問題を抱え、反省すべきこともあったのだろうが

現在の政治家たちは、52年前の災害から学べることがあるんじゃないかと。

すぐに実行できることもあるんじゃないかと。



被災地の人がテレビで困ってたよ。

とんでもない瓦礫の山の処分に困り、燃やして処分しようかと思ったけど

環境省が「ダイオキシンが出たら困るから駄目」って。

「じゃあどうしろっていうのか?」って聞いても、返事はないって。

農家や漁師の補償についても、何も示さないままだものね。

すでにいろいろな方面で、多大な影響が出てるのに

こんなことを続けてたら、被害が広がる一方だよ。

国会で居眠りしちゃう長老議員に聞いたら良いじゃない。

居眠りから起こしたら、過去の災害時の政治経験を教えてくれるかもよ。

党とか派閥とか言ってないで

政治家や官僚の皆さんは、どんどん現地に入って

被災者の声を聞きながら仕事をしてみてはどうでしょうか。

(※パフォーマンスだけならいらないけど)


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伯林熊子

Author:伯林熊子
夫の熊坊(くまぼう)と築60年の家に暮らしています社宅★nekonosekai
日本にいた頃は忙しい日々だったけど、今では毎日ぬくぬく冬眠生活。ドイツのこと、日常のことなど、ベルリン生活の記録ですベルリン熊さん
たまに真面目、ほとんど毒どくろ

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